クリニカルレポート

メディカルソリューション

マンモグラフィ読影ワークステーション マンモディーテ

クリニカルレポート (お客さまの声)

*この記事は、『INNERVISION』2020年8月号に掲載された、JCHO仙台病院の放射線科診療部 星 由紀子先生による「クリニカルレポート」を許可を得て転載しています。

JCHO仙台病院における乳腺画像診断ワークステーションの実際の運用

星 由紀子
JCHO仙台病院放射線科診療部

~はじめに~

 当院では2019年9月にマンモグラフィ装置の更新とともに乳腺画像診断ワークステーション「mammodite(マンモディーテ)」を導入した。当院でのmammoditeの実際の運用状況を紹介しつつ,有用性について考察する。

mammodite導入の背景

 当院では病院併設の健診センターのマンモグラフィ検診,仙台市マンモグラフィ検診,外来マンモグラフィを1 台のマンモグラフィ装置で,女性診療放射線技師4 名により年間約4000 件撮影している。仙台市マンモグラフィ検診は市からの委託撮影であるため,それを除いた年間約2500 件を4 名の外科医が読影を行っている。そのため,誰が行っても直感的に操作できること,短時間で精度管理ができるシステムを備えていることが乳腺画像診断ワークステーション選定の条件であった。また,当院で実現したかったバーコードでの検査画像呼び出しに関して相談したところ,ネットカムシステムズ社で開発し運用開始に至れることを約束されたことも,mammodite を選定した大きな理由となっている。

 さらに,当院では,マンモグラフィ装置の更新に伴いトモシンセシス機能を付属させており,それもmammoditeを一緒に導入した一つのポイントになっている。トモシンセシス撮影は診断上有用だと考えるが,データ量が大変大きいため,PACS の容量を圧迫するという問題があった。そこで,乳腺専用のワークステーションを導入し,保存するサーバを分けることでPACS の容量の問題を解消することができると考えた。また,mammoditeにはキー画像送信機能があり,診断のキーとなったトモシンセシス画像の一部のスライス画像をPACS に送信することが可能で,当院でもこの機能を活用したいと考え導入に至った。

読影に関する運用

 当院では,週1回,院内の検診マンモグラフィ読影会を医師と診療放射線技師で実施している。現在は,健診の結果システムとmammodite がオンラインで結び付いていないため,紙の健診票と併用している。そのため,撮影順ではなく,健診票の順番で読影を行う必要があり,読影のたびに受診者ID などを入力し検査画像を呼び出すのは作業が煩雑であると考えた。また,受診者の取り違いなどにも慎重になる必要があった。そこで,読影会で活用しているのが,mammodite導入時に合わせて開発されたバーコードでの検査の呼び出し機能である。健診票に印字されているバーコードを専用のバーコードリーダにかざすだけでmammodite上に対象の所見入力画面と検査画像が表示されるのである。バーコードリーダの精度は非常に高く,どんな角度からでも読み取ることができ,読影する医師からも大変好評である。さらに,mammodite で超音波画像も同時に確認できるようにしたこと,旧装置のCR画像も5年分mammoditeに取り込んだことで,撮影装置が換わっても過去画像との比較が容易にでき,読影の精度は格段に向上している。

 また,当院では院内の検診,仙台市の検診,外科・移植外科の外来検査もあることから,それらを種別に区別したいと考えた。そこで,撮影をする際に装置側で区別に使えるDICOMタグに規定の数字を入力しておくことにした。mammoditeでは,DICOMタグ情報での検索が可能になっているので,その数字を入力して検索することによって,対象の検査だけを呼び出すことが可能となる。この検索条件をカスタマイズして名前を付けて保存しておくことによって,毎回タグ情報を入力することなく,リストから必要なものを呼び出すことができるので,読影時に役立っている。このカスタマイズも,われわれで簡単に行うことができるため,必要に応じていつでも編集が可能である。

*図1 乳腺画像診断ワークステーションmammodite
a:バーコードリーダ b:所見入力画面と検査画像

精度管理に関する運用

 有用性の高い検診を実施するためには,精度管理された装置を用い,検査を実施することが重要である。当院においても,日本乳がん検診精度管理中央機構で決められている精度管理を積極的に行っており,マンモグラフィ施設・画像評価の認定も取得している。mammodite でモニタとマンモグラフィ装置の日常点検を実施しており,以下に精度管理方法を紹介したい。

 mammodite 導入前はCR システムでハードコピーで行っており,CR の読み取り,フィルムプリント後に,シャウカステンで確認しながら,結果はExcel に入力して管理を行っていたため,日常点検に20 分程度かかっていた。それがmammodite導入後は5分ほどの短時間で行うことができている。

 日常点検に関してmammoditeの優れているポイントは2点あり,点検忘れを防止するためのログイン時のポップアップ表示と,わかりやすい操作方法である(図2 a)。モニタの日常点検に関しては,ログイン時のポップアップ表示からそのまま点検に進むことができる上に,サブモニタの日常点検ウインドウにチェック項目(図2 b)が表示され,確認後OKをクリックするだけの簡単な操作で実施可能である(図2 c)。精度管理に詳しい診療放射線技師による管理が困難な外来などに設置しているモニタに関しても,外来スタッフや医師に初回ログイン時の点検を依頼することが可能である。当院では,外来設置分は外科医にモニタの管理をお願いしているが,直感的にわかりやすく簡単なため問題なく行ってもらっている。

 また,マンモグラフィ装置の日常点検に関しても同様に,ログイン時にポップアップ表示される。装置で撮影したファントム画像をmammoditeに転送後,点検用のQCウインドウに表示しROIの位置を合わせて統計量の送信ボタンを押す。そうするとROI 内の統計値や撮影条件などが自動で入力されるので(図3 a),Excel などで管理ファイルをつくり,手入力をするというような煩雑な作業から解放される。さらに,一覧での管理もでき,設定した管理幅から外れた項目の値は,色が変わる仕組みになっているのも現場に配慮された機能である。目視評価をプルダウンメニューから選択入力し,保存するだけで点検内容が記録されるのは,日々の点検作業をする上で大変便利である。

 ブックマーク機能を利用し,マンモグラフィ施設・画像評価の認定取得のための乳腺評価別フォルダなどを作成できるのも,画像選定の際にすべての画像から探す必要がなくなるので役立っている機能である。もちろんこのブックマークは自由に作成できるので,例えば有所見画像のみをブックマークするなど,教育などのさまざまなことにも活用できる。

*図2 モニタの日常点検
a:ポップアップ表示 b:チェック項目 c:日常点検の実施

今後の展望

 当院では診療放射線技師も所見入力を実施しており,mammoditeでは検査データや所見内容の統計調査を確認できることから,要精検率や医師の二次読影と比較した乳腺評価やカテゴリー差異などを活用しようとデータを蓄積している。今後は院内での教育用や外部での発表用のデータの収集など,有用な活用方法を検討し実施していきたいと考えている。

 当院は,2021 年5 月には仙台市北部の紫山に新築移転が決まっており,新たな健診システムも導入予定である。mammoditeと健診結果の連携も検討しているため,今後はさらに良い運用ができることを期待している。